父の日と言えば、6月の第3日曜日。イタリアに来るまでは、
これは世界中同じだと思っていた。ところが、違ったのだ。
イタリアに来て1年目の時、3月に「父の日おめでとう!」
と書かれた貼紙を目にしたのだ。「父の日って???」
と訝る私の目に次に飛び込んで来たのは「3月19日は父の日です。」
という言葉だった。その年の3月19日は日曜日ではなく、週半ばだったので、
ますます変な感じがした。
何かの間違いかもしれないと思って、知り合いのイタリア人に確かめてみると、
3月19日は確かに父の日だと言われた。では、母の日も日本と違うのかと思って
聞いてみると、これは日本と同じ5月の第2日曜日だという。母の日は日曜日なのに、
父の日は平日で、「イタリアはやっぱりマンマの国、お父さんは、ないがしろにされて
いるのかなあ。」などと考えていた。
謎が解けたのは、カレンダーを見ていて、例の守護聖人の名前を眺めていた時の事。
3月19日の守護聖人は、聖ジュゼッペ。ジュゼッペはヨゼフのイタリア語名である。
ジョゼッペはキリストの母マリアの夫で、キリストを自分の子供として受け入れた人だ。
(キリストは神の子なので、ヨゼフの息子ではない。)だから、3月19日が父の日
とされているのだろう。
日本では、父の日には「お父さん、有難う。」と、日ごろなかなか言えない
感謝の気持ちを表すのが普通だが、イタリアは「おめでとう!」だけで、
あっさりしたものだ。
特にプレゼントをする訳でもない。面白いのは、「父」のお祝いなので、お祝いを
言う相手が必ずしも「自分の父」だけではない事だ。現に、私の夫は、夫の両親から
「父の日おめでとう!」の電話を受けた。こういう時が、所変わればだなと思う瞬間である。